資産形成はアセットアロケーションをはじめに考えるべき

最終更新: 6月27日

銀行・証券・保険などの金融機関は、日々新しい金融商品を開発し、皆様のもとへ販売しています。多くの方は金融機関の営業職員から「この商品は運用利回りがいいからおすすめです。…」「将来成長が期待できる銘柄なのでおすすめです。…」「将来物価上昇も考え金利の高い外貨建て商品がおすすめです。…」など、商品の良さを聞き商品選択をされているのではないでしょうか。そういった商品選択をする前に、ご自身の資産全体を把握し、資産をどの商品に配分して運用していくのか、配分比率をしっかり考えポートフォリオを構築していますでしょうか。

資産運用をしていく上で重要になっていくのがアセットアロケーション(資産配分)です。長期投資では、このアセットアロケーションという考え方がきわめて重要なります。

今回はこのアセットアロケーション(資産配分)についてみていこうと思います。



アセットアロケーションとは


資産配分という意味です。運用に伴う様々なリスクを低減しつつ、効率的なリターンを目指す上で、投資資金を複数の異なった資産(アセット)に配分(アロケーション)して運用することをいいます。アセットアロケーションは、個別の銘柄選定より、トータル・パフォーマンスに占める寄与度が高いと言われます。現代ポートフォリオ理論では長期投資での収益要因の約90%がこのアセットアロケーションだとされています。(アセットアロケーション理論を発見した功績により、アメリカの経済学者マーコビッツは1990年にノーベル経済学賞を受賞しました。) 一般の方がよく気にされる個別銘柄の選定や売買のタイミングは、収益に与える要因としてはあまりないということです。


アセットアロケーションの基本


投資する市場と投資する場所を基本に資産を配分します。たとえば「株式」「債券」「不動産」「商品(コモディティ)」といった投資対象や、「日本」「米国」「先進国」「新興国」「世界全体」といった投資する場所です。これらをグループとして、同じようなリターンやリスク特性を持つ投資対象のことを「アセットクラス」と呼びます。 アセットアロケーションでの組み合わせの基本は、期待リターンに対してどれだけリスクを抑えるかということです。 当然ですが、期待リターンを高めるためにはそれだけ高いリスクを背負う必要があります。 組み合わせ方は、アセットアロケーションはその人がとりうるリスクの大きさによって変わってきます。安全な運用を求めるケースでは、リスクを小さくする代わりに期待リターンも小さくなります。たとえば、私たちの年金を運用しているGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)はリスクを抑えるアセットアロケーションを行うため国内債券中心になり期待リターンも低くなっています。一方で、新興国株式などの期待リターン、リスクの大きいアセットクラスへの投資を中心とすれば当然、リターン、リスクともに大きくなります。自分にあった組み合わせはその資金の目的や年齢などによって変わってきます。「リスクを積極的にとって大きく殖やすことを目的とするのか。」それとも、「インフレに負けないための着実な財産形成を目的とするのか。」それらによってずいぶんと構成内容はかわってきます。 また、分散投資をすることによりリスクを抑え、期待リターンを高めることができます。ポイントは「相関関係」です。値動きが違う(負の相関関係にある)資産を組み合わせると、より小さなリスクで大きな収益を得ることができます。 例えば、一般的には「日本株が上がれば、外国債券は下がり、日本株が下がれば、外国債券は上がる」といった負の相関関係があります。



アセットアロケーションとポートフォリオの違い

ポートフォリオとは金融資産一覧のことで、どのような金融資産にどのくらいの金額を投資しているかという状態のことをいいます。一方のアセットアロケーションというのは資産をどのように配分するかというルール、方針のことをいいます。 例えば、 国内株式 25% 外国株式 25% 国内債券 25% 外国債券 25% になるように、ポートフォリオ組んで運用していくとします。


しかし、投資商品は常に変動をしていますので、運用していくと当初決めていた配分比率からずれていきます。株式相場が大きく上昇して


国内株式 30%(配分比率25%)

外国株式 40%(配分比率25%)

国内債券 10%(配分比率25%)

外国債券 20%(配分比率25%)


になったとします。


このようになったとき、当初決めた配分比率の水準(この場合それぞれ25%)に戻します。このことを「リバランス」と言います。 上記だと国内株式と外国株式の一部を売却して、国内債券と外国債券のアセットクラス(資産)に対して投資することになります。


分散投資をしてリバランスをしたものとリバランスをしなかったものでは、一定のリバランスを行うほうがより効率的な運用が出来ます。



どのようにポートフォリオを組めばいいのか


資産運用をするうえで、まずは自分(家族)の将来のライフプランシミュレーションでキャッシュフローを確認し、どのくらいのリスクを取り、収益リターンを目指すのか考えたうえで、アセットアロケーション(資産配分)を行うことが大切です。 ポートフォリオを構築するうえで、簡単なのは投資信託(特にインデックス型投資信託やETF)を使って組む方法です。 日本株ならTOPIXや日経225をベンチマークとしているインデックス型投資信託やETFなどがあります。外国株式ならMSCIコクサイ・インデックス、債券ならFTSE世界国債インデックスなどのベンチマークがあります。 投資信託への投資というと「まず銘柄(ファンド)選び」という考えをお持ちの方も多いかもしれませんが、アセットアロケーションから考えると、個別のファンドより、まずどのアセットクラスに投資をするかを決めて、それから投資するファンドを決めるという方法がおすすめです。 バランス型ファンドは、リバランスを運用会社が行ってくれるので自分に合った配分のバランス型ファンドを選ぶのもひとつです。 その際に重要なのは「手数料」です。投資信託はファンドによってかなり手数料に差があります。販売手数料はもちろん、信託報酬と言った手数料は投資のリターンを確実に下げるものです。コストには強くこだわりましょう。今では、ノーロードも多く、信託報酬もかなり低いものも出てきています。それらを上手く組み合わせてポートフォリオを構築していきましょう。

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