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債券を知ろう~応用編~「ラダー型ポートフォリオとダンベル(バーベル)型ポートフォリオ」

更新日:2022年10月30日


投資をはじめる前に『知る』シリーズ応用編です。


債券投資を行う際にどういったポートフォリオを組むのが良いのでしょうか。


債券を運用していく上では、「ラダー型ポートフォリオ」や、「ダンベル型ポートフォリオ」といったバイアンドホールドの手法があります。


今回はこれらの手法について見ていきましょう。



ラダー型ポートフォリオ

ラダー型ポートフォリオはパッシブ運用の代表的な手法のひとつで、債券のポートフォリオを構築する際に、短期債から長期債まで、残存期間の異なる債券に、ほぼ同額ずつ投資するポートフォリオのことをいいます。


運用期間中に組入債券の償還を迎えると、一定のルールに従って、それにより発生した償還金(キャッシュフロー)を再び最長期債へ投資し、常に均等な組入比率が維持される仕組みになっています。


保有している債券の満期までの期間の構成と投資額をグラフにするとハシゴを横にしたような形状をしていることからラダー型ポートフォリオと呼ばれています。


ラダー型ポートフォリオの特長


・償還毎にその時点の最長期債に投資し、原則的に償還まで持ち切るため、金利予測をする必要がない


・売買の回数が少ないため、低コストである


・短期債も保有しているため、流動性に富む


・常にその時点の長期債に再投資されるため、ポートフォリオ全体の利回りも相対的に高くなる


といった点が挙げられます。


一般に運用戦略において、ラダー型ポートフォリオは、日々のポートフォリオ管理が容易であり、特に金利動向の行方が不透明な状況において有効な手法と言えます。その一方で、債券相場が好調な場合でも、運用に制約があるため、積極的な収益を目指すことができないといった弱点(欠点)があります。



ダンベル型(バーベル型)ポートフォリオ

ラダー型はポートフォリオは、短期債から長期債まで、ほぼ同額ずつ投資するのに対し、ダンベル型(バーベル型)ポートフォリオは、中期債を持たず短期債と長期債に投資し、常に短期債と長期債の組入比率を維持する運用方法です。保有している債券の満期までの期間の構成と投資額をグラフにするとダンベルのような形状をしていることからダンベル型ポートフォリオまたは、バーベル型ポートフォリオと呼ばれています。





ダンベル型(バーベル型)ポートフォリオの特長


・短期債のもつ高い流動性と長期債のもつ高い収益性を併せて追求することができる


・先行きの金利予測に応じて保有割合を変化させることによってより高い収益性を狙うことができる


といった点が挙られます。


ただ、ポートフォリオ構成を常に見直していくことが困難な点や、リバランスに伴うコストが高くなる、利回り曲線のスティープ化に弱い等の欠点もあります。


こうした債券ポートフォリオを活用することで、流動性と利回りを確保でき、投資信託などを利用するのに対してコストを抑えることができます。また、通貨を分散させれば外国債券インデックスファンドのように一つの通貨にリスクが集中する懸念も減ります。


債券のポートフォリオは別のやり方も

しかし、こうした債券のポートフォリオを組むにはある程度の資金と手間がかかります。また、2016年から債券の償還差益と売却益も申告分離課税(譲渡所得)で20.315%(復興所得税含む)課税されるようになり、税制面でのメリットはなくなっています。


最近ではインデックス型投資信託の信託報酬はかなり低くなってきており、ノーロードの商品も多くなってきています。まとまった資金のない方は、少額からできる積立投信でのポートフォリを組むこともおすすめします。



【例】ノーロード/信託財産留保額なしのインデックスファンド(2021年8月29日現在)


・ <購入・換金手数料なし>ニッセイ国内債券インデックスファンド/信託報酬年0.132%

・ <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国債券インデックスファンド/信託報酬年0.154%

・三井住友・日本債券インデックス・ファンド/信託報酬年0.176%

・eMAXIS Slim 国内債券インデックス/信託報酬年0.132%

・eMAXIS Slim 先進国債券インデックス/信託報酬年0.154%

・iFree外国債券インデックス/信託報酬年0.198%

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