メトロポリターナトーキョー×FP Office（12月号）

新卒で都内の会社に就職して23年。
日々をそれなりに楽しく生きる「りたな」が
さらなる幸せな人生を歩むべくFP Officeへ。
家計のかかりつけ医であるファイナンシャルプランナーが
りたなの人生に寄り添います。

illustration: Yuki Takahashi edit: Shiori Sekine (EATer)

STORY ５

４５歳、知っておきたい

相続のこと

りたなさん(45)

りたなの家計状況

前回のLPから6年後、りたな45歳のときに父親が他界。遺産相続の手続きに苦戦する。その経験がきっか
けとなり、母、姉とともに、母親の生前贈与を検討し始める。相続に関してわからないことの多いりたなは、より良い相続の方法や受け取った資産の使い方についてアドバイスをもらうべく、再びFP Officeへ。

収入

年収　　　　1250万円

（夫：700万円、妻：550万円）

資産

生前贈与　　　　???円

1カ月の支出

住居 (ローン) 15万8,000円

水道光熱費　　 2万5,000円

食費　　　　　 8万5,000円前後

銀行の貯蓄額　1250万円

つみたてNISA 毎月6万円／

　　　 (妻・夫各3万円)

ライフプラン

シミュレーション

◆ 将来の収入と支出の推移グラフ

◆ 年間収支

◆ 現預金・資産運用・確定拠出年金の資産額合計

贈与した財産は、相続が発生した場合、相続発生前3年以内の贈与財産は、3年以内贈与財産加算となり、相続税の計算に加えられます。しかし、孫に贈与した場合は、原則この3年以内贈与財産の加算対象外になります。

対象になってしまう場合は、下記の通りです。

①孫と養子縁組などをし法定相続人になった場合
②遺言書に孫が財産を受け取ることが明記されている場合
③生命保険の受取人が孫になっている場合　　　　　

Point！

贈与を受けた分の金額はシミュレーションには反映させません。りたなさんご夫婦の将来の資産状況から将来の生前贈与をシミュレーションに加えました。

生前贈与の制度として「相続時精算課税制度」がありますが、こちらは2500万円までの生前贈与については贈与税がかからない制度です。
こちらの制度を使って贈与した財産は、相続時に財産に加算されるため、基本的に節税効果はありません。
また、相続時精算課税制度を選択しますと暦年贈与は選択できなくなります。（併用不可）

※教育式贈与など暦年贈与と併用できる制度もあります。

暦年贈与の注意点としては、連年贈与と指摘されてしまう場合や、未成年者に贈与する場合、名義預金と指摘されないかといった点です。
その対策としては、

①毎年、贈与契約書を贈与の都度作成し、贈与者、受贈者双方で保管する。
②110万円の非課税枠にこだわらず超えた金額で贈与税を支払う

③贈与を行う日は毎年時期をずらす

④毎年贈与する金額は変える
⑤受贈者が贈与財産を使う（ものを購入、金融商品を購入など）

といた方法をとります。

〈FP根本執筆の参考記事〉

・教育資金の為に『学資保険』は必要か？＜ブログ「お金のコラム」＞

・「時間を買う」という考え方～お金の有効活用は大切だが時間の有効活用も大切～＜ブログ「お金のコラム」＞

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シニアファイナシャルプランナー

根本寛朗

プロフィール

大学卒業後、証券会社、外資系生命保険会社を経て2015年ファイナンシャルプランナーとして独立。10年以上金融実務経験のある独立系FPとして個別相談を中心に活動中。資産形成や資産運用の相談を得意とし、年間300件以上のライフプラン相談を行う。また、新聞・WEB媒体の記事の監修・執筆や大企業の社員向け金融教育講師やセミナー講師も行っている。

【メディア実績】

日経新聞、産経新聞、マイナビウーマンなど