銀行の「金利」と生命保険の「予定利率」はどう違うの?


『金利と利回りは何が違うの?』では、金利と利回りにの違いについてみていきました。

今回は、金利と生命保険で使われている予定利率の違いについてみていきます。


生命保険の営業員の中には、銀行の金利と生命保険の予定利率を同じもののように説明する人もいますが全く別物です。では、生命保険の予定利率と銀行の金利はどのように違うのかみていきましょう。


予定利率とは

銀行に預金した場合、その預けたすべての金額に対して金利がつきます。


それに対し、予定利率は自分で支払った保険料すべてに予定利率がかかってくるわけではありません。


契約者が支払う保険料は、「予定死亡率」「予定事業費率」「予定利率」の3つの「予定率」(あらかじめ予定した基礎率)で計算されています。


「予定死亡率」は、 生命保険会社が、過去の統計をもとに、性別・年齢別の死亡者数を予測し、将来の保険金などの支払いに充当するための必要額を計算するときに用いられる死亡率のことです。


「予定事業費率」は、あらかじめ見込んだ、生命保険会社の事業費率です。事業費には、契約の締結・保険料の収納・契約の維持管理や人件費など、保険事業を営む上で必要な諸経費が含まれています。


「予定利率」は事務経費が差し引かれたのち、死亡保険金・満期保険金・年金などの支払いに充てるための「責任準備金」の運用利回りです。当初の予定利率と実際の運用利回りの差は「利差(損)益」と呼ばれ、生命保険会社の収益のひとつです。



保険料にはこうした予定率を基に計算され、保険料は将来保険金を支払うための財源になる「純保険料」と、生命保険会社が保険事業を維持・管理していくために必要な費用の「付加保険料」に分けることができます。


さらに純保険料は死亡保険金を支払う財源になる「死亡保険料」と満期保険金を支払うための財源となる「生存保険料」に分けられます。


純保険料は、「予定死亡率」「予定利率」を基礎に計算され、付加保険料は「予定事業費率」を基礎に計算されます。



予定利率は、1996年4月2日以降の契約から、国が定める標準利率をもとに生命保険各社が独自に決めています。

標準利率とは、将来の保険金などの支払いに充当するための責任準備金を積み立てる際、適用を義務づけられている利率です。予定利率は各保険会社ごと、商品ごと、保険料の払い方(一時払い、分割払い)ごとに、異なっています。各社は、標準利率より少し高めの予定利率を設定していることが多いようです。 標準利率は、2021年1月に引き下げられ現在0%となっています。


予定利率支は、払った保険料に対して、その利率が金利のようにプラスされると思っている方も多いかと思います。しかし、実際には「支払った保険料から運用に回っている部分を予定利率分割り引く」という形になっているわけです。ですので、基本的には予定利率が高いほど、保険料が割り引かれますので保険料が安くなり、逆に予定利率が下がると保険料は上がります。

現在、円建て保険の予定利率はほとんどありませんので積立型の円建て保険の中には、販売停止となっているものもあります。


このように銀行の金利と生命保険の予定利率は根本的に違いますので、単純に数字だけでは比較はできません。


生命保険のほとんどは加入時の予定利率がずっと適用される固定金利商品です。今後、市場金利が上昇し、預金金利も上がった場合は銀行の金利の方が高くなることも十分に考えられます。


生命保険商品の中には、利率が変動する変動金利の商品もありますので、生命保険の加入を検討する際は、そういった利率変動のタイプの生命保険や、株式や債券などを中心に運用し、運用の実績によって保険金や解約返戻金が増減する変額保険など、金利変動に対応できる商品を選択することもひとつです。

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