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物価高を見据えて、あらためて資産運用を考えてみる

更新日:2022年5月11日


こんにちは、FP Officeの中井です。

初めての投稿になります。よろしくお願い致します。



私は以前、証券会社に在籍していたのですが、そこでの関心事というと、世界の政府や中央銀行、企業などのような図体の大きなものの動向や、そういったものが作り出すマーケット環境などでした。


一方、FPが扱う項目は、試験科目でもある6科目(税金、保険、運用、相続、不動産、ライフプラン)を代表として、個人の方々の生活、そして人生の近くで寄り添う事象がメインとなってきます。


これらは、かっこいい言い方をすれば、「マクロ」と「ミクロ」

両者は何も別世界の話ではありません。

特にグローバル化が行き渡った現代においては、どこかの点で『繋がる』ものであるはずです。



だったら、両方からの視点で物事を見てみる。そして繋がりを考えてみると面白そうだ。と考えました。

そんな合点を得て、キーボードに手を置いた栄えある第一回となります。



「マクロ」側から覗いてみると、当然、世界の潮流の中心にある事象として、今も続くロシアのウクライナ侵攻を取り上げない訳にはいきません。

コロナウイルスによる世界的パンデミックに続く、歴史的転換点とも言えます。

時代の変化のスピードが著しいとはいえ、このように想定外のことが立て続けに起こると、現時点での予定や計画があっという間に否定され、脆く崩れることが日常的になるでしょう。


足元の状況を確認してみます。


欧米から制裁を受け経済が傷つくロシア。世界銀行は22年度の経済を大幅なマイナス成長と予測しています。経済や為替に翻弄されるロシアの中央銀行は、利上げに利下げにとてんてこ舞いしています。


米国では、物価高に立ち向かう中央銀行の政策によって、株価が大きく下落。ローン金利は十数年ぶりの水準にあり、不動産への影響も心配されます。そういえば、リーマンショックも住宅に端を発した事象でした。


今や世界の中心となりつつある中国。確かにロシア危機の当事者ではないものの、こちらはコロナの感染を徹底的に抑え込む「ゼロコロナ」の政策もあり、景気に大きな下押しの圧力がかかっています。


こう見ると、少なくとも経済の部分では共倒れの状態にあります。


いずれロシア危機が終息したとしても、そもそも「コロナ以降」の回復も半ばに過ぎないのに、そこにのしかかる「ロシア以降」となると、今まで以上に相当な負荷がかかるかもしれません。


この負荷は、もちろん個人にも避けて通れない問題となって現れています。

一つには、もちろん物価です。


そもそも物価高の原因はどこにあるのでしょう。

厄介なことに、原因は複合的です。


簡単に挙げてみても

▶資源高、原油高

▶景気回復に伴う需要増大

▶半導体など部品の供給不足

▶物流の停滞

▶人手不足、賃金上昇

▶環境問題

エトセトラ・・・・


その中で、ロシア危機と関わるものとして資源高をピックアップしてみます。

ここで 、次のワードなのですが、どこかで聞いたことありませんか。


「チェルノーゼム」


私には社会のテストのために覚えたような記憶がほんの微かにあるのですが、皆さんはいかがでしょうか。


ロシアやウクライナはこの「チェルノーゼム」と呼ばれる肥沃な土地に恵まれており、なんと世界の小麦輸出の3割弱を担っています。現在は、ここが上手く機能しないことになります。

それだけではありません。農作物の他に、農業の基礎となる肥料も高騰しています。

肥料の重要な要素の一部をロシアやベラルーシが供給しているためです。


そして、その煽りを喰うのが、実は真っ向から対立している米国のトウモロコシ農家だったりします。

米国はトウモロコシの最大の輸出国なのですが、今年の作付面積は減るとの見方が広まっています。では、その代わりに何をするかというと、 なんと「大豆の割合を多くするかもしれない」とのこと。肥料が少なくて済むからだそうです 。


輸入大国の日本が、このような世界の流れと距離を置けるはずもありません。

身近なところだと、フライドポテトのサイズがSだけになったことに、驚いた記憶があります。


しかも、日本においては、これで終わらせてくれません。

物価高の要因に、さらに「円安」も加わることになります。


例えば、

1ドル=100円から1ドル=120円に円安になるということは、

海外から1ドルの品物を輸入しようとして1ドルを手元に用意する為に、これまでは100円で足りていたものが、120円必要になるということです。



物価高の要因に引けを取らないほどに、円安の理由もまた、幾つも挙げられるようになってしまいました。というのも、物価と為替にも関係性が存在するからです。



以上のように俯瞰してみると、デフレが日本のお家芸とされていた時代はもう来ないかもしれません。

特に今の物価高の特徴は、品目が限定的ではなく、ありとあらゆるものだということです。


このような長期的、かつ構造的な物価高の環境下で、FPの観点からも、よく取り上げられるのが「教育費」の上昇です。


エネルギー費用の上昇が続けば、水道光熱費のようなコスト負担は上昇します。習い事だって、今のままの値段が維持されるでしょうか。

デジタル化の進展によって、設備投資も求められます。大学の一部では、慢性的な赤字となっているようで、その原因の一つに挙げられています。いずれ授業料に転嫁されることも想定されます。



ライフイベントの中でも中核の1つである教育費。

そもそも大きな金額であるにも関わらず、その価格が上昇していくことは影響も大きいものと思われます。そのことを念頭において、これまで以上にしっかりと資金を準備していくことを考える必要がありそうです。



例えば、お子様がまだ小さい場合における大学資金の形成を考えてみましょう。

この場合だと、長い準備期間を利用することができます。無理のない範囲でも、コツコツと積み立てていくことが可能となります。



では、どんな方法があるのでしょうか。



この場合、代表的な方法として3つの方法があります。

1:定期預金の積み立て

2:学資保険の利用

3:積み立てNISAなど、運用の利用


ただし、

1ですと、金利の高いネットバンクA社でも「0.3%」程度。

2ですと、返戻率の高めのB社で「106%」程度

といった環境です・・・。


これでは、物価高、ひいては教育費の値上がりが続いた場合、到底それらのリターンでは追いつかなくなってしまいます。


そこで3の方法を検討する必要が出てきます。


確かに学費という性格上、特にリスクが伴う方法には躊躇してしまいがちです。


ただし、リスクを取らずに資産面の価値が変わらなかったとしても、コストの価値が増大してしまえば、相対的には目減りしていることに何ら変わりはありません。


でも、「そうは言っても・・・。」と思われるのも正直なところかもしれません。


まずは基本に忠実に行きましょう。

資産運用の基本は「長期・分散・積立」です。

大学費用を例に出したのは、このうちの「長期」に当てはまるからです。

残りの2つも、またお話できればと思います。


折しも、高校では金融の教育が盛り込まれることとなりましたが、非常に象徴的なことだと感じます。

いずれご自身がお子様に教えてあげることを見据えて、自ら経験していく。

そういった点でも、この機会に運用を始めてみるのはいかがでしょうか。

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