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執筆者の写真中井 康寛

人口動態と不動産の未来を考える

もらったボーナスを基準に生活する人、そんな人いるわけないですよね。

一過性のものに委ねることはナンセンスと言えます。



ただ、お金ではないのですが、この「ボーナスは一過性」であることを再認識する必要がある。

そんな分野があります。



それは、「人口」



国連によると、データが確認できる1950年以降において、20年に世界人口の年間増加率が初めて1%を割り込んだ、ということだそうです。(当然、これは最低の水準です)


それでも80億人に迫る世界人口は、50年に97億人、80年代には104億人にもなると予測されています。

この規模には、あらためて驚かされるものの、増加のスピードは下落を続けています。



そもそも「人口ボーナス」という言葉が存在するくらい、経済は人口に大きく紐づけられます。


これは

エネルギッシュな15~64歳の生産年齢人口の人たちが多くを占めるようになると、社会負担が少ない一方で税収や消費などが旺盛となり、生産の拡大や社会整備の発達が勢いよく進む、といったサイクルを示す表現です。



日本も、高度経済成長期はこのボーナスの土台の上に成立していました。

そして、日本に代わりアジアの主役として台頭している中国も、このボーナスをおおいに利用して今に至ります。


ところが今では

日本は、現在では婚姻数や出生数が戦後最低をひた走り、

中国は、一人っ子政策の後遺症が強く残る。

アジア地域も、30年代半ばには人口減少に転じると予測されています。

(なんでも、今後牽引するのはアフリカだそうです)



このような少子高齢化の社会では、消費は減退し、収入も停滞していく。一方で医療費や年金のコストは増大します。「人口ボーナス」は「人口オーナス」と化し、大きな負荷となるわけです。



人の数が少なくなるのですから、いろんなものが不要になったり余ったりするのは当然のこと。

不動産も、まさにその対象だと思われます。



日本でも、再開発など、新築のマンションが止まることなく建設されていく一方で、増大していく「空き家」の問題。総務省のデータでは、H30年度で14%だそうですが、今後も拡大していくことが予想されます。



材料費の高騰やリモートワークの増加など、下地が大きな変化をした最近の住宅市況ですが、もっとタイムラインを先に伸ばすと、この人口動態は今よりもっと大きなファクターとなりそうです。



人生において、不動産は大きなライフイベントの位置付けにあります。

予算やエリア、ローンの計画やご家族の住まいの夢など、決めることは多岐に渡りますが、このような将来の不動産環境も想像してみても良いかもしれません。


その上で、賃貸にするのか持家なのかも大事な選択となります。

ここでは、そのメリットとデメリットをいくつかまとめてみました。



◉賃貸


<メリット>

⚫︎引っ越しがしやすい。転勤が頻繁な方、ライフスタイルが変化する方などには向いていると言える。

⚫︎固定資産税と都市計画税がかからない

⚫︎家賃だけで修繕積立金などが不要。

⚫︎老朽化や故障による修理が必要になった場合、メンテナンス費用を負担してくれる

⚫︎災害リスクに強い。


<デメリット>

⚫︎間取りが限られる。

⚫︎ペットや音楽など制限がある。

⚫︎敷金・礼金、また定期的な更新がある。

⚫︎団体信用生命保険が利用できない。持ち家でローンを組んでいる場合、万が一になった際は、この保険によってローンが完済され、そのまま家に住み続けることができる。

⚫︎高齢者では契約できない可能性も


◉持ち家


<メリット>

⚫︎団体信用生命保険が利用できる。万が一のケースでも残された家族の住環境は残る。

⚫︎自己資産となる。老後も安心して住むことができる。資産なのでリバースモーゲージなども利用可能。

⚫︎老後の負担が減少する。住宅ローンを完済すれば修繕費や固定資産税のみの支払いになるため。

⚫︎間取りや内装の自由度が高い


<デメリット>

⚫︎引っ越しが難しい。

⚫︎価格の下落によって、売却してもローンが残るケースもある。

⚫︎災害リスクに弱い

⚫︎購入の手数料も高い。

⚫︎自分達で修繕を計画していく




両者の特徴は「自由」と「所有」の表裏一体。

より良い判断のためにもライフプランをしっかり作成することをお勧めします。


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